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# エッセイみたいな。 # 書評とか。

北村一真著『英語の読み方』を読んだ話

Ritsuki

2021/09/12

先日、中公新書から出ている北村一真著の『英語の読み方 ニュース、SNSから小説まで』という本を読んだ。

YouTubeでこの本が出ているのは知っていて、とても興味があったので、本屋さんで見つけ衝動買いしてしまった。(たまたま何円か分のクオカードが手元に残っていたというのも買った理由の一つ)

英語の読み方という広いタイトルだが、その名の通り、満遍なく英語の読み方について書かれている。

英文法に基づく英語の読解方法の話から、日常にありふれた英文の読み方・親しみ方まで記述がわたっていて、とても820円とは思えない。

何より英語の読み方から派生してその他の技能(リスニング、ライティング、スピーキング)まで話が及んでいるのがとてもありがたかった。

筆者は「読解力はすべての英語学習の基本となる」というスタンスをとっているが、これについては共感してもしきれない。(I couldn’t agree more 状態)

読めない英語が聞けるはずはないし、読めない英語を話せるはずもない。

その点で、本書および筆者の貫いている姿勢が心地よい。

この本では、第1章で「英文を読む前に」と題して、英語の読み方に共通する3つの前提知識を共有している。

そのうちの「文法」について詳しく書かれたセクションでは、3つの例文があげられ、「この3つの英文の構造が1つもわからない、あるいは意味が理解できないという人は、先に大学受験レベルの英文法書、英文解釈書の定番のものを読み込んで文法の基礎知識とその応用力を鍛えることを強く勧めます。」と述べられている。

書店には「文法なんかいらない」「楽に英語をマスターできる」などという謳い文句で売られている本が並ぶ中(勝手な偏見)、この潔さに感服。ますます筆者のことが好きになった。

この筆者の3つの英文のハードルをクリアしたのちに、第2章以降で実践的なリスニングのスクリプトや新聞記事、スピーチ、SNS、コミック、小説の読解へと続いていく。

比較的短い英文の引用とともに文法・語彙・背景知識の補足や、その英文のもつ特徴が述べられていく構成はとても簡明で、おもしろく読んだ。

また、付録として厳選例文60が挙げられているのも本書の推しポイントの一つである。

以上、簡単に面白かったポイントや本の紹介的な事項を並べてみた。

隙間時間でさらっと読み終えることができたが、この本の参考文献にはたくさんの書籍やオンラインサイトが挙げられていたのでそれにも目を通してみたい。

ただ、何より、同じ著者の書いた『英文解体新書』を積読状態にしてあるので、短いがこの辺で終わりにすることにする。

適当にまとめました。